浄土真宗本願寺派 紫雲山 光明寺

光明寺だより

SUBARU便り(4)

光明寺門信徒の皆様こんにちは。長男の顕信です。
今回も「SUBARU便り」です。

 

今回のSUBARU便りは、ブランド名とエンブレムに込められた意味について焦点を当てたいと思います。
スバルは車作りも特徴的ながら、名前も特徴的です。
トヨタ、ホンダ、マツダ、スズキ、はいずれも創業者の名前がそのままブランド名になっているので
イメージしやすいですが、正直スバルに関しては全く想像がつかないと思います。

 

会社が発足してからこれまで、スバルの車のエンブレムのデザインは少しずつ変化をしてきたものの、
「外枠の円とその中に星が6つ」というコンセプトは変わりません。「六連星」と書いて「むつらぼし」という呼称で親しまれています。
現在は「横長の楕円形の中に、星6つが全て収まっている」という形に落ち着いていますが、
エンブレムにどんな意味があるのか、なぜベースの形状が変わらないのか、断片的なことしか知らなかったため、少しだけ詳しく調べてみました。

 

スバルのエンブレムのモデルになっているのはプレアデス星団と呼ばれる、数百もの星が集まってできている星団です。
そのプレアデス星団の和名が「昴(すばる)」になります。星団の中で、肉眼で見ることができるのは「6つ」ほどになっていて、
これを図案化したデザインがスバルのエンブレムになっています。
ちなみに、プレアデス星団とはおうし座を構成する要素の1つで、主に冬の時期に見ることができます。
皆さま「冬の星座で最も見つけやすい星座」こと、「オリオン座」は見つけたことはありますか?
おうし座はオリオン座の隣にあるため、オリオン座を起点にすれば比較的簡単に見つかりますので探してみてください。
「春は あけぼの」で有名な枕草子にも「星は すばる」という一節があり、作者の清少納言もすばるを美しい星として特筆しています。

 

話が逸れましたが、次はなぜこの「すばる」がモデルとして採用されたか、です。
今でこそ「株式会社SUBARU」と、ブランド名がそのまま会社名になっていますが、数年前までは「富士重工業株式会社(以下、富士重工)」という会社名でした。
富士重工という会社は、第二次大戦中に零戦を中心に数々の傑作機を生み出した「中島飛行機」が前身になります。
中島飛行機は1950年の財閥解体により、多くの会社に分割されますが、その数年後に富士重工を中心とする旧中島飛行機系の5社と統合されることになります。
これら合計6社を表してるのがエンブレムの6つの星になります。
また、星団すばるの語源は「集まって1つになる」という意味を持つ「統ばる(すばる)」から来ているようで、会社合併のイメージとも合いますね。
こうした天文学的なアイデアは、東京大学東京天文台(現:国立天文台)からのアドバイスを受けたようです。

 

スバルに入れて頂いて車作りに携わりながら、スバルの車作りに「真面目・誠実・無骨」そんなイメージを抱いてましたが、
ブランド名1つに様々な根拠を求めているあたり、会社に息づく根っこの部分は変わらないのかなと思いました。
だからこそ、これまで多くの人に受け入れられて会社が存続できているわけで、
技術革新目まぐるしい現代でも「スバルらしさとは何か」を考えて見失わないことが大事なことかなと思いました。
先述した枕草子では無いですが「車は スバル」と言ってくれる人が増えるような仕事ができればと思います。

 

今回のSUBARU便りはこの辺で。それではまた次回に。

 

最後に余談ですが、会社が統一してできたエンブレムと言えばアウディも同じで、
あの輪っかが4つ並んでいるデザインは、アウディの前身4社が統合してできたことを表しているようです。