浄土真宗本願寺派 紫雲山 光明寺

光明寺だより

慶讃法要参拝の御礼状

謹啓

 『ああ 弘(ぐ)誓(ぜい)の強(ごう)縁(えん) 多生にも値(もうあ)ひがたく 真実の浄信 億劫にも

獲がたし たまたま行信を獲ば 遠く宿縁を慶べ』(御本典総序の御文)

 

 このたび 尊いご勝縁を賜り 柳川組四十三名のご門徒の皆様とともに 御本山西本願寺での『宗祖親鸞聖人御誕生八百五十年 立教開宗八百年慶讃法要』に ご一緒に参拝出来ましたことは 私にとりましても無上の慶びであり 生涯忘れることの出来ない貴重なご法縁になりました

 ちょうど二年前から準備を進めてまいりました 途中 御本山の慶讃法要参拝センターや築地本願寺とは 何度も電話やファックスでやり取りをし メールでの確認等も行ってまいりました 関東二十四輩ご旧跡のご寺院様 交通機関や宿泊等々の手配や確認は 西鉄旅行社様にお願いを致しました

 おかげさまで 無事につつがなくお参りをすることができました お天気にも恵まれ お参りするさきざきで 桜が満開の中 親鸞さまが光顔巍巍の笑顔で 「ようぅ遠い九州の地からお越しくださった」と 八百年の時空を超えて お出迎えをいただいているようでした

 また 不思議な宿縁を賜り 親鸞さまが浄土真宗の根本聖典である 「顯淨土眞實教行證文類」をご編纂なされた「草庵」である 稲田の西念寺様で お晨朝のお勤め(正信念仏偈六首引)の調声をさせていただき ご法話までさせていただいた事は 本当に望外の慶びでした 我ひとり感涙にむせびながらお正信偈を唱えておりました ありがたく尊いご法縁をいただいたと 今でも心から感銘いたしております

 日頃から 自分本位にしか生きられず 無明煩悩の闇に沈む私たちが 阿彌陀如来様の智慧と慈悲に照らされて 本願念仏のみ教え、「南無阿彌陀佛」に出遇い 佛法を拠りどころとして生きて往く道を歩むことが出来ますことは ひとえに 親鸞聖人さまが御誕生になり 浄土真実のみ教えを明らかにされたことによるものであります

 お念佛「南無阿彌陀佛」に生かされる人生は 「いつ死んでも大丈夫 いつまで生きても大丈夫」と 我が人生を 阿彌陀さまに見守っていただき 導いていただき 支えていただきながらのお浄土までの人生行路(往相)です

 また 「往生成仏の暁」には お淨土から還相して「いそぎ淨土のさとりをひらきなば

 六道 四生のあひだ いづれの業苦にしづめりとも 神通方便をもつて まず有縁を度すべきなりと云々(『歎異抄』第五条)と示されるように 仏となって「衆生済度」が自由自在にできるのです お『正信偈』に「往還廻向由他力」とお示しされ 往還の廻向は他力によると記されているとおりです

 今回の慶讃法要にご参拝をいただいたことを一つの機縁として 今後ますます み教えに生かされ いよいよお念佛を慶び より一層 聞法求道に精進されますことを衷心より念じ上げて このたびの御本山慶讃法要ご参拝の 御禮のご挨拶とさせていただきます

 また 来春の御本山参拝で再び お遇いいたしましょう          合掌

 

令和五年四月五日

浄土真宗本願寺派 福岡教区柳川組 組長 光明寺住職