浄土真宗本願寺派 紫雲山 光明寺

光明寺だより

「病児保育のインフラを地域に」

                                          光明寺門徒 平木洋二

 皆様、初めまして。私は、久留米市で食品向けの包装資材の販売、シールや紙箱の印刷を行っている『丸信』という会社を経営しております。

 創業者の祖父、平木元次は、浄土真宗を説かれた親鸞聖人様を篤く信仰しており、光明寺様の門徒としても熱心に活動し、毎年1月の御本山の御正忌報恩講には欠かさずお参りし、お聴聞していたようです。弊社の現在の本社(久留米市山川市ノ上町)の起工式には、先代のご院家さまでなく、あえて当時まだ、二十代だった後継者の傍示裕昭様(現在のご住職)に依頼し、起工式を「仏式」にて執り行ったと聞いております。

 さて、三年前より弊社では、企業主導型の保育園を運営しております。二つの大きな特徴をもつ園で、一つは外国人の先生が常駐しており、英語での保育を行っております。

 もう一つの特長が「病児保育」です。通常の保育園では、お子さんに37度5分以上の発熱があると、その日は預かることができません。途中で発熱した場合も、親御さんに連絡が入り、仕事を早退してお迎えに来てもらわねばなりません。通常それは、お母さんの役目となります。この為、企業側からすると小さなお子さんのいる女性に重要な仕事を任せにくくなり、簡単な事務やパート職となる場合が多いのだと思います。

 また、近年では離婚率の高まりからシングルマザーとなられる方が多いのですが、上記の理由で非正規雇用となる場合も少なくありません。この豊かなはずの日本で子供の7人に1人は貧困状態にあると言われています。貧困は遠いアジアやアフリカの話ではないのです。

 弊社では、久留米市で、このシングルマザーの貧困問題に取り組むNPOさんを継続支援させて頂いておりました。また社内にも30名以上のシングルマザーが働いていて、如何に仕事と子育ての両立が大変なのかを知ることになりました。

 この問題を知るにつけ、この町に病児保育(看護師が常駐し、病気をしたお子さんをお預かりするサービス)のインフラがあれば、問題の解決に繋がると思うようになりました。久留米市にも街中の大病院には病児保育可能な施設がありますが、事前予約が必要であったり、利用時間や場所や預かれる子供さんの数などの制約も多く、気軽に利用できる訳ではありません。

 「それなら自社でやろう」、そう思ったのですが、当時は年間5000万~6000万円の企業負担が必要と言われ一度は断念したのですが、安倍政権に変わり、この問題を取り上げていただき、補助金がつくようになり、我々でも運営が可能になりました。

 開設には膨大な申請書類や手続きが必要でしたが、なんとか3年前に開園にこぎつけました。当初は園児が集まらず、毎月大きな赤字を出し続け、後悔しかけましたが、やはり、「英語教育」と「病児保育」はじわじわと人気がでて、今では定員に達し、新規の入園をお断りしている状態です。保護者の皆さんから「園があるから安心して働ける」「子供が流暢な英語を話すようになった」との声を沢山頂き、やって良かったと心から思っております。

 私どものような中小企業1社でできることは限られています。しかし我々にできたのですから、他の地域や企業様でもきっとできるはずです。先日、久留米市津福今町にも病児保育可能な保育園ができ情報交換させて頂きました。我々も必要とされればこれまでの経験はお伝えするつもりです。そして、安心して子育てできる街になれば、きっと子供を産もうという気になる方が増え、他の地域から移住される方も増えるでしょう。

 これから、日本が確実に直面する急激な少子高齢化。まさに、この喫緊の課題を地域が一体となって解決せねば限界集落化は益々加速します。個人にとっても企業にとっても他人事ではないと思うのです。    合掌